12/11/2014

母へ

 

大学の映画研究部を出てから宣弘社、国際放映、東映、東宝、三船プロと映像関係で働いてきた頃の話を聞くのが本当に大好き でした。丹下左膳、隠密剣士、二人だけの朝、コメットさん、キイハンター、荒野の素浪人、聞いた中で思い出せる作品はこんなもんか… 関わった作品全部聞いてメモっておけばよかったな……



スプーン曲げにハマって家中のスプーンやオタマを曲げては俺が力任せに直してたのも15年くらい前かな… 自覚はなかったと思うけど相当面白い人だったと思うよ。

あと最近は近所の公園の池に集まるカモが何羽居たかを数えて帰って、その話をしてる時はいつも楽しそうだったよね。一緒に見に行けばよかったよ…… 年が明けたら築地に土佐料理食べに行こうって言ってたのに叶わなかったね……

血圧の薬を飲んでるくらいしか持病もなく、まだまだあと10年20年と一緒に居られると思っていました。だから死をにおわす話を聞くの嫌がってきてたよね。今にして思えばもっとちゃんと聞いておけばと反省してる。おかげで事務的なことに忙殺されて多少気が紛れてるけど、何にせよ急過ぎだよ。

5歳の時に離婚して以来母一人子一人、途中1年間再婚したり俺自身の結婚と離婚があったりしたけど、女手一つで育ててくれて、働き者で、楽観的で、よく笑って、今まで一緒に居てくれてただただ感謝しかないです。

望みは只一つ『息子の幸せ』だったんだと思います。母さんの思い描いた幸せに沿えてるか自信無いし、駄目な息子で情けなくも申し訳ないですが、幸いこの一週間支えてくれたり、気にかけてくれた従兄や友人には恵まれております。その辺は知ってるよね。
アサマが帰りを待って窓の外や玄関の方を向いてる姿を見ると胸が締め付けられるし、一人(と一匹)で居ると失ったものの大きさに不意にボロ泣きが訪れます。乗り越えるにはまだ時間がかかりそうだけど、そっちで心配されないよう『幸せであろう』と思います。そっちには婆ちゃんもリッチーも伯母さんも伯父さんも居るから寂しくないよね。



母さん、本当にありがとう。
大好きです。



追記:これの下書きをスティッキーズに書いてたら、以前作品製作のヒントの為にメモった星の王子まさの一文が残っていて、何故かじんわり沁みております。

 「ぼくは、あの星のなかの一つに住むんだ。 その一つの星のなかで笑うんだ。
 だから、きみが夜、空をながめたら、星がみんな笑ってるように見えるだろう。
 すると、きみだけが、笑い上戸の星を見るわけさ」
 そして、王子さまは、また笑いました。(星の王子さまより)

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