4/30/2013

【Wood grain painting】木目を描くということ(接触編)

1年と半年ほど前に木目調に塗り、一部からピスタチオやヤシの実などと言われ続けながらも、放っておいた自転車用のヘルメット“木目ット”を仕上げたので、木目塗装についてのなんやかんやをダラダラと書いてみようと思います。


事の始まりは14歳の頃、ラジコンやミニ四駆なんかのように、第何次ブームなどと言われるようなものがあったのかは定かじゃないけど、多くの思春期男子が通るミリタリーブームに両足を腰のあたりまで突っ込んでました。御徒町の中田商店や鴬谷の笠俊商店、東久留米の東京ファントム等に足しげく通い、行けないお店は月刊GUNやコンバットマガジンの広告から電話注文現金書留を送ってました。2000円で買った米軍の野戦ベッドで寝つつ(まだ持ってます)、拗らせアイテムとして数個のガスマスクが今も部屋に転がっています。そんな愛読書だった月刊GUNやコンバットマガジン…中学生のお小遣いでは毎月買う訳にもいかず古本屋でバックナンバーの束をまとめて購入。
写真は過去の木目作品の一部です。クーラーボックス(2005)
どちらの誌面だったかは忘れましたが(たぶんコンバットマガジン)モノクロ見開きページに「プラスチックのライフルストックをウッドストックに塗ってみよう(…たしかカラシニコフだったような)」というような内容の記事。木目って描けるのか!と中二の脳髄に電撃が走りました。
元々プラモデルを指で塗るなどのアバンギャルドなペイント癖があった為(ホント)、それから毎日のように木目を描く練習の日々(ウソ)どれもこれもうろ覚えですが走った衝撃は本物でした。
ガチャガチャベンダー(2006、新宿LOFTに設置)

それから幾年月、世はインターネット全盛。仕事のイラストとは別の趣味の工作・ペイントで木目を描きたくなり、昔知ったペイント方法以外に何かヒントになるものは無いかと検索すると出てくる出てくるカスタムペイントの世界。ダッシュボードやインパネ周りを木目調にする方法や、バンのドアやサイドパネルをウッディなカントリー調にする方法など車文化の中にリアルウッドを使わない木目調ペイントのノウハウが蓄積されていました。

iPhone3ケース(2009、バンブー調木目)
もちろん木製製品、リアルウッドの質感は大好きなのですが、自分の中に脈々と流れるアーリー80'sの木目調フェイク文化がかなり重要な位置を占めてまして、禁断の大人の書斎究極なところだと「野獣死すべし」で伊達邦彦が住んでい部屋とそこにあるオーディオをコントロールするメカメカしいアタッシュケース)的な男臭いモノに対する憧れというか、80年代のポップでファンシーなモノの対極にある、硬質でエッジの立ったデザイン地の無塗装成型色プラスチックシボ革っぽい加工のビニールレザー木目調ステッカーなんかにときめいちゃうんです。ATARI2600のデザインなんかがドンズバですね。
なんだか話がズレてきちゃいましたが、木目を描くって行為はまさにその延長線上にあって、フェイクの開き直りのような潔くないカッコ良さとでも言いましょうかさも得意げに「木っぽいけど木じゃないんだぜー」って言っちゃう馬鹿馬鹿しさみたいなものにワクワクするんですよね。まあ“禁断の大人の書斎”はフェイクじゃなくリアルなんでしょうけど。

イラスト(2012)
そんな訳で年内はもっと精力的に木目作品を作っていこうと思います。

次回は発動篇(実践編)、軽く手順などを公開してみようと思います。どこかで木目ペイントワークショップとか出来ないかなー。